2025年12月20日
「はじめての圏論」読書メモ
書籍リンク: はじめての圏論(講談社)
「はじめての圏論」を読んだ
1章: 関係を見る視点
要点
- モノとモノを矢印で結ぶことでモノの内在的性質からは捉えきれない、外在的特徴が浮かび上がってくる
- モノ同士の関係だけでなく関係の関係に着目する

補足メモ
- ある会社の中で学んだ組織の関係を別の会社においてトレースするようにマッピングし直して理解することがある、これは関係の関係をみているので圏論的理解を試みてる状態と言える、さらに関係の関係が適切でなかったと見直しをして別の関係の関係を脳内に構築するとき、これは関係の関係の関係を考えていると捉えられる
2章: 最大公約数から構造を捉える
最大公約数の見方
- 最大公約数について考える、ここでの最大とは単なる数の大小ではなく整除関係(倍数・約数の関係)での大小のことを言う

- 言い換えると

- この定理に従うと0と0の最大公約数が0であることも自然と導ける
下方集合としての整理
- aとbの公約数リストやdの約数リストはその性質から下方集合である

- dの約数という下方集合は単項下方集合であり、そのためaとbの公約数の下方集合も単項下方集合であるといえる、そもそも整数を抽象化した代数的整数の世界ではaとbという2つの整数の公約数が単項な下方集合であるかどうかはわからない=aとbに最大公約数が存在するかはわからない
有向グラフへの拡張
- 以上の最大公約数の定理を有向グラフに当てはめて考えると最大公約数的な頂点も同じような定理から導けることがわかる

- ところがこの定理はどんな有向グラフにも当てはまるわけではない、たとえば以下のようなグラフでは最大公約数的な頂点はないことになる、この様子からも常に最大公約数が存在するわけではないことが明らかである

一般事例への写像
- つまり、これを一般の事例に当てはめてみると部署1と部署2の調整役となる役職が最大公約数的な頂点となるためには以下の特徴を備えていないといけない
- 社長から部署1と部署2に通じる矢印の途中にある
- ↑の条件を満たす役職のうち最も部署1と部署2に「近い」
3章: 恒等射と可換図式
要点
- なにもしない、関係・操作のことを恒等射という
- 頂点と矢印からなる図式を考える、ある頂点からある頂点へ至る複数の経路がすべて互いに等しいときその図式は可換であるといえる
- 圏論においては関係を表す矢印の合成に関して結合法則が成り立つことは重要である
4章: 圏の定義と順序
圏の定義
- 圏論は構造主義なのか
- 圏の定義

- 圏の定義はゆるゆるで対象をほとんど絞らない、そんなゆるゆる定義から導かれる補助的な定理↓

- 📝間のメモをあとでとる
逆写像と順序
- 逆写像の定義

- 集合の写像f: X → Yが逆写像を持つための必要十分条件はfが全単射であることである
- 順序から決まる圏
- 集合X上に関係Rが定まっているとは、x,y∈Xに対してxRyという式が成立する
- 集合X上の2項関係とは直積集合X* Xの部分集合R⊂X*Xのことである
- 反射率、任意のx∈XについてxRxが成り立つことと、推移律、x,y,z∈XについてxRyかつyRzならxRzであるとき、Rは擬順序であるという
5章: 双対性と普遍性
双対性
- 終対象と始対象
- 以下の特徴aとbで特徴づけられる概念を直積という

- 圏Cが与えられたときにCに現れる射の向きをすべて反対にしたものを双対圏などと呼びC*やCoppなどと書かれる
- 圏論において対象の中身は重要ではない、また射はなんらかの実体というわけでもない、重要なのは射で表される関係性である
- 双対性は圏論という学問自体に存在する対称性であり、各概念にも適用される、直積の対称性を持つ概念は直和である
- 直和はaの形の図式でbを満たすもの

- 整数の整除関係の圏では積和は最小公倍数を意味する
- 最大公約数↔最小公倍数
- (集合の)共通部分↔和集合
- ↑これらは圏論的に見ると互いに双対の関係にある
普遍性
- モノの内在的価値ではなく外因的側面によって特徴づけられる性質をモノの普遍写像性質あるいは普遍性という
6章: 関手
関手の定義
- 圏Cから圏Dへの関手F: C→Dは↓の2種類のデータからなる

- 関手

関手の具体例
- 料理とワインのデータベース構造図式から作られた圏から、集合の圏への関手を与えることができる


- 特定の要件に合わせてデータベース構造のグラフの関手を考えられる

補足メモ
- アナロジーはある種関手と捉えることもできる
- (あくまでアナロジー的な理解として)圏はクラスのようなもので圏から集合の圏への関手はそのインスタンスを与える
- 関手を与えることの強力な例として、有向グラフの頂点、矢印、始点・終点を要素とする圏から集合の圏への関手を与えることができる
7章: 自然変換
自然変換と圏同値
- 関手から関手への変換を圏論では自然変換と呼ぶ

- 関手の圏を考えることができ、CからDの自然変換を射と考えられる

- 厳密さをもった圏同性とゆるい同型性である圏同値
補足メモ
- 自然変換とはクラスの構造を保ったままインスタンスからインスタンスへと変換するものだと捉えられる
- 圏からインスタンスとしての集合を考え、さらにインスタンス間の関係を取り出す事が可能になる

8章: 前層と米田の補題
前層への導入
- 圏Cの対象aに関して、Cの双対圏Coppから集合の圏Setsへの関手ha: Copp → Setsを構成する
- これは対象aの圏Cにおける役割を記述する関手となっている
- 感想)ここからの論理展開が難しかった...
米田の補題とその後
- 米田の補題に至る

- F: Copp → Setsという形の関手を圏C上の前層という
- 前層の全体は関手の圏であるFunct(Copp,Sets)をなす
- 忠実充満関手
- 補助定理が導ける

- 圏Cの対象は忠実充満関手により前層の圏に対して実質上単射に入っていく、つまり圏Cは前層の埋め込まれる
- 対象が前層でコーディングされて代用されるので前層とモノの区別は大きな意味を持たない、I: C → Cハットは圏Cの拡張と捉えることができる
- 関係性のネットワークの様態からそのコード化としての前層が作られ、これが対象を代替する
9章: 随伴とモナド
要点
- 圏論における随伴とはそれぞれの状況や文脈における最適近似を与えるものである
- 随伴の有名な例がカリー化
- f: X*Y → Zからcur(f): X→Z**Yへの変換
- モナドの定義
