2026年8月2日
「天下御免の向こう見ず」読書メモ
太田光「天下御免の向こう見ず」を読んだ。
90年代ぐらいに書かれたエッセイ集。
太田光の作品は小説やエッセイなど何冊か過去に読んだことあるが、文章のリズム・実直さのようなものが好み。
今回のエッセイ集も書かれてる内容にも増して筆致が好きで、読んでると自分も日記なんかを書きたくなってくる。
薔薇という文章が特に印象に残る、というかこれを読むためにこの本を手に取ったようなところがある。
この話を読んで、美学のある人の美しさのようなことを考えた。
大きな話にはなるが、自分の人生に納得感を持つというのは、自分の中に一定の基準やこだわりのようなものを持つことと、それを持っていることを自覚することなのではという気がする。
特に後者が重要で、こだわりに突き進んだ先で、そのこだわり(あるいは真棒とも言えるのかもしれないが)を信じられなくなった時に悲劇が起きるような気がする。
常に自分の信じてるものが一体自分にとってまだ正しいのかという訂正可能性的な態度も必要なんだろう。
美学を持ちつつ、美学を疑う両面性を維持し続けることが人生の納得感につながる。
この反復運動を普通の人が意識するのは辛すぎるので、どこかで何かに身を委ねて生きてしまいたくなるので、何らかサポート役が必要になると思われる。
自分にとってはそれが読書体験である、特に小説を読むことは他者にとっての美学(自分にとっての異物)を飲み込むような行為だと思う。
読書以外に、こういう体験をできるものが他に何かあればいいなと思う。